ガミースマイルは歯列矯正で治せる?
原因別の治療法・
費用・期間を解説
笑った時に歯肉が大きく見えるガミースマイルは、顔の印象を左右しやすい悩みといえます。
写真を撮るときに口元を隠してしまう、人前で思いきり笑えないなど、心理的なコンプレックスにつながることもあります。
しかし、ガミースマイルといっても原因は一つではなく、歯の傾き、上唇の動き、骨格、歯肉の形など、複数の要因が関わっています。
原因が異なることで、治療方法も大きく変わるため、矯正だけで治るのか、外科手術が必要なのかなどの疑問が生まれます。
この記事では、ガミースマイルの原因を整理しながら、歯列矯正で治るケースとそうでないケースの違い、それぞれの治療法、費用や期間の目安まで、分かりやすく詳しく解説します。
ガミースマイルの
主な原因
1)歯が傾いている
前歯が前方へ傾いて生えていると、笑った時に上唇が押し上げられやすくなり、歯肉が通常より多く見えることがあります。
2)上顎の骨格自体が前に出ている
生まれつき上顎の位置が前方にある、または縦方向に長い骨格の場合、歯列全体が前方に見えやすく、笑った時に歯肉が大きく露出する傾向があります。
骨格が原因のため、顔立ちの印象にも影響しやすいタイプです。
3)笑った時に上唇が大きく上がる
表情筋の動きが強い、または表情のクセがあると、笑った時に上唇が大きく引き上げられ、結果として歯肉が多く見えることがあります。
普段は気にならないことも多いため、本人も「普段は気にならないのに笑うと急に歯肉が見える」と感じやすい傾向があります。
4)歯が小さく、歯肉の範囲が広い
歯の大きさが相対的に小さい、または歯肉の範囲が広いと、歯と歯肉の比率がアンバランスになり、歯肉が目立ちやすくなります。
歯の萌出量が少ない場合も、歯が短く見えることで歯肉が強調され、ガミースマイルのような印象につながります。
ガミースマイルは
矯正で治せる?
1)矯正で改善できるケース
歯の傾きや位置が原因となっているガミースマイルは、矯正で改善できることがあります。ただ、スペースが著しく不足しているタイプの歯並びでは改善が難しいことも愛ります。
2)矯正だけでは不十分なケース
骨格性ガミースマイルや上唇の挙上量が大きい場合、歯肉の範囲が広い場合などは、矯正だけでは見える歯肉の量を大きく減らすことは難しいケースがあります。
この場合は、外科矯正、歯肉整形、ボトックス治療などを組み合わせて、全体のバランスを整える必要があります。
3)部分矯正でも改善するケース
軽度のガミースマイルの中には、前歯だけを数mm動かす部分矯正で改善できるケースもあります。ごく軽度の場合は選択肢になります。
原因別の治療法
1)歯列矯正
前歯の位置を整えることで、歯肉の露出量を抑えます。
マウスピース矯正では、歯全体の動きを細かくデジタルで設計でき、出っ歯改善と同時にガミースマイルの緩和を目指します。
ワイヤー矯正では、より大きな圧下や細かな調整が可能で、難症例にも対応しやすい特徴があります。
2)歯肉の整形
(歯冠長延長術など)
歯肉が厚く歯が短く見えるタイプには、歯冠長延長術が有効です。外科的に歯肉を下げる、骨の形を整えるなどして歯の見える面積を増やします。
ただ、歯肉を切除した部分は歯根面が露出してしまうため被せ物の治療も一緒に行う必要があります。
また、歯肉は再度肥厚しやすいため、患者様によっては満足な結果を得られないこともあります。
3)ボトックス治療
笑った時に上唇が持ち上がりすぎるタイプは、上唇挙上筋にボトックスを注入することで筋肉の動きを弱め、歯肉が見えすぎるのを抑えます。
効果は一時的ですが、手軽でダウンタイムが短い点が特徴です。
4)外科矯正
上顎骨が前に出ていることで起こっている骨格性ガミースマイルの場合は、外科的に上顎の位置を調整することで改善できます。
治療期間の目安
1)矯正のみの治療期間
軽度であれば1年〜1年半、中等度で1年半〜2年程度が一般的です。
重度の場合はもう少し時間がかかることもあります。
2)外科処置を併用する場合
外科矯正は術前矯正が半年〜1年、手術後の仕上げ矯正が半年〜1年かかるため、全体で1年半〜3年程度となることが多いです。
歯肉整形のみの場合は数週間で見た目の改善が可能ですが、矯正と併用する場合は矯正期間に準じます。
3)ボトックス治療の期間
効果は約3ヵ月〜6ヵ月で、持続させるためには定期的な処置が必要です。
費用の目安
1)矯正治療
約80万円〜110万円程度が一般的です。部分矯正は15万円〜40万円前後で収まるケースもあります。
2)歯肉整形、外科処置
歯冠長延長術は1本あたり2万円〜10万円、上唇ボトックスは1万円〜3万円程度です。
外科矯正は保険適用となるケースでは費用を大きく抑えられます。
3)複数治療を組み合わせる場合
矯正+歯肉整形、矯正+ボトックスなど、組み合わせによって費用は変動します。
診断の結果に合わせて最適な組み合わせを選ぶ必要があります。
後戻りの可能性
矯正の後戻りは、リテーナーの使用状況に大きく左右されます。
適切な保定を行えば後戻りのリスクは抑えられますが、歯肉整形、ボトックスのみで改善したケースは、時間とともに戻りが生じることがあります。
外科矯正は後戻りが非常に少ないのが特徴です。
原因に合った治療をする必要がある
ガミースマイルは見た目の悩みとして相談が多い症状ですが、その原因は歯の傾き、歯肉の形、上唇の動き、骨格など多岐にわたり、原因によって適した治療法も大きく異なります。
歯の位置や角度が影響しているタイプであれば、マウスピース矯正やワイヤー矯正で改善できる可能性があります。
一方、骨格が関係している場合や上唇の挙上が強い場合は、矯正だけでは十分に改善できず、外科矯正、歯肉整形、ボトックス治療などの併用が必要になることもあります。
治療期間は、矯正のみで1年〜2年ほどが一般的ですが、外科処置を伴う場合は1年半〜3年ほどかかることが多く、ボトックスは短期間で効果が得られる反面、継続的な処置が必要です。
費用も治療方法によって幅があり、矯正治療は80万〜110万円前後、部分矯正ならより抑えられ、歯肉整形やボトックスも比較的手軽に行える価格帯です。
まずは原因を明確にし、自分の状態に合った治療法を歯科医師と相談しながら検討することが大切です。