有髄歯のホワイトニング法には、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2種類があります。また、無髄歯にはウォーキングブリーチ法が用いられます。
〇ウォーキングブリーチ法
根管治療後、時間が経過すると歯が変色するのを臨床で経験することも少なくありません。また、歯冠の変色から歯髄が失活したことに気づき、感染根管治療を行うこともあります。
ウォーキングブリーチとは、無髄変色歯に対する漂白法です。緊密な根管充填がなされていることを確認した上で、30~35%の過酸化水素と過ホウ酸ナトリウムとを混合したペーストを髄腔内に封入します。この方法は1963年に報告され、現在でも臨床で用いられています。ウォーキングブリーチという名称は、診療室で漂白材を髄腔内に封入し、次の来院までの間継続して[歩いている間も]漂白されるという意味だそうです。
ウォーキングブリーチは髄腔内から象牙細管を通して象牙質に漂白剤材が直接作用するため、確実で効果が高いとされます。しかし不用意に髄腔を拡大しエナメル質が薄くなると、術中に歯質が脆弱化し破折することがあります。また、象牙細管の走行を考慮せずに根管充填材を深く除去しすぎると、漂白材が象牙細管を通して歯根膜のセメント質に作用し、術後数年経過して歯根がリング状に外部吸収を引き起こすことがあります。
〇オフィスホワイトニング
1.オフィスホワイトニングとは
オフィスホワイトニングとは、歯科医院において歯科医師または歯科医師の指示の下で歯科衛生士が行うホワイトニングのことです。歯科医院(オフィス)で行うことからそのように呼ばれています。一般的に、濃度が3.5~35%の過酸化水素水を主成分とする薬剤を使用し、光照射を併用して短時間でホワイトニング効果が得られる方法です。
2.ハイライト
松風より1998年に発売されたハイライトは、国内で初めて薬事法認可を受けた歯科漂白材です。35%の過酸化水素水と触媒粉末の混合による化学反応と、可視光線照射による光熱反応により反応が進行する光反応の併用で作用します。粉と液を混和すると、青緑色のペースト状となり、光照射(ハロゲン、LEDなど)をすることで、反応が進むと白色に変化するため、漂白のタイミングが色変化により分かりやすいのが特徴です。
高濃度の過酸化水素を用いるので、歯肉および口腔軟組織の保護が大切です。ラバーダムあるいは歯肉保護用レジンを用いて歯肉の保護を行います。一回の処置時間は1~1.5時間、処置回数は約1週間の間隔で3〜6回を目安とします。また、オフィスホワイトニングは部分的に可能であることも特徴と言えます。
オフィスホワイトニングだけでなくホワイトニング全てに共通することですが、ホワイトニングを行う前までにう蝕や歯肉炎などの治療を終えておく必要があります。歯の表面から薬剤が作用するため、術前の歯面清掃を徹底することが大切です。また、処置後数時間は飲食(コーヒー、紅茶、赤ワインやカレーなど)あよび喫煙を控えていただきます。特にハイライトは、pHが約4と酸性であるため、ホワイトニング後の歯面は色素感受性が高くなっているので注意が必要です。また、一時的に歯面がやや白濁することがありますが、唾液による再石灰化作用で約1週間で消失します。
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